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2007年07月 アーカイブ

2007年07月18日

宅地建物取引主任者とは

宅地建物取引主任者資格とは、年齢、性別、学歴等に関係なく誰でも受験でき、宅地建物取引業に欠かせない国家資格です。


毎年10数万人の受験者がいるといわれるほど、人気のある資格です。


資格習得を目指して勉強を始める方は、まず宅地建物取引主任者が一体どういうものなのかを知る必要があります。


宅地建物という名前から、不動産に関する資格であることはすぐに分ると思います。
では、不動産、または不動産業とは、一体何でしょうか。


まず不動産とは、「物のうち容易にその所在を変えがたいもの。民法上、土地及び建物・立木のような土地の定着物」と、広辞苑では説明されています。


つまり、不動産とは土地そのものや、その土地に定着している建物・立木などの動かしがたい財産の事なのです。


では、不動産業とは、どういうものでしょうか。


不動産業は、経済的波及効果の大きな業界として知られており、住宅への直接投資額と住宅関連による経済誘発効果(内装、照明、家電製品等)を合わせた額は、直接投資額の2倍ほどになるといわれ、その額は日本の国民経済全体の約10%を占めているのです。


この重要な不動産を業とするものが、その業務を行う際に準拠するものが「宅地建物取引業法」です。


この法律の定義により、不動産の売買、交換を自ら行い、売買、交換の仲介をする行為を業として行うものが、不動産取引業と言うことになります。


そして、不動産取引業務を行う際に必要になってくるのが宅地建物取引主任者資格なのです。

宅建主任者

宅建主任者とは、簡単に言うと宅建試験に合格した人です。


宅建主任者になりたいと思っている人は、宅建試験を受け、合格しなければなりません。


宅建主任者資格は宅建業に欠かせないもので、宅建主任者は、不動産取引の中で中心的役割を担っています。


宅建取引業と不動産業の違い


私達が部屋を借りたい時に行く所は、不動産屋ですよね。


この不動産屋というのは、宅建取引業を行っている宅建業者の事です。
しかし、宅建業者と不動産業者は同じものではありません。


おおざっぱに不動産業の仕事を4つの業務に分けてみました。


・開発・分譲業務(大規模マンション等)
・流通業務(中古住宅などの買い替え斡旋)
・賃貸業務(賃貸マンション等の仲介)
・管理業務(マンションの管理)


では、宅建業者の業務はどうでしょう。


・宅地、建物を自ら売買・交換
・宅地、建物を他人が売買・交換・賃借を行う際の代理、または媒介


など、不特定多数を対象に反復継続して営利事業として行うもので、宅地造成、開発、賃貸、管理などの業務は宅建業務には含まれません。
不動産業者の業務の内容の幅広さと違い、宅建業者の業務は限定されています。


宅建主任者の役割


不動産業者と宅建業者の違いが分ったところで、宅建業の中での宅建主任者の役割を見てみましょう。


不動産の取引には、宅建業法、民法、建築基準法などの法律の知識が不可欠で、法律面以外の不動産特有の知識も必要です。


しかし、そうした知識は一般の消費者にとって簡単に理解できるものではありません。


そんな消費者の為に、宅地建物に関する専門家「宅建主任者」が宅建業者の事務所に置かれ、宅建主任者には、不動産を取得、又は借りようという人に対し、取引に先だって不動産取引に必要な法律で定められた重要事項を、説明する事が義務づけられました。


この義務は宅建主任者だけができる業務として法律で定められていて、不動産取引の中で、宅建主任者がどれほど重要な役割か、お分かり頂けたと思います。

宅建主任者の活躍の場

ここまでの説明により、宅建主任者の仕事は概ね理解していただけたでしょうか。


では、実際に宅建主任者がどのような場所で活躍しているのか、これから資格を取得しようと勉強している、又はこれから勉強を始める皆さんには、気になる事と思います。


宅建主任者は、次のような場所で活躍しています。


・宅建業者(私達が部屋を借りたい時などに行く不動産屋)
・不動産業界(不動産・建設・ハウジング会社等)
・金融業界(銀行・保険・証券会社等)
・上記以外の一般の会社
・市町村をはじめとした役所
・学校法人
・その他


宅建業者・不動産業者は当然、と思っていただけるでしょうが、金融業界以降は首をひねられる方も多いでしょう。
まず、金融業界での活躍とはどんな事でしょう。


金融機関では、不動産を担保にお金を貸します。
その際、物件にどれくらいの価値があるのか評価が必要です。
その為には、宅建主任者の知識が最適だと思われています。


では、一般の会社ではどうでしょう。


会社が保有している不動産の有効利用を考えた時に、宅建主任者の知識があると便利です。


では、役所や学校法人はどうでしょう。


役所では、住民の不動産についての手続きや不動産についての課税を行っています。
また、自らの事業を行う際に必要な用地の取得などを行っています。
学校法人についても学校用地の管理や取得が行われています。


最後はその他です。
その他には、多くの人が該当すると思います。


まず、一般の生活者です。
誰でも一回は必ず不動産を購入、または借りる事があるのではないでしょうか。


不動産の購入は、人生の中で最も大きな買い物になると言えるでしょう。
そのときに宅建主任者の知識があるのとないのでは、大きな違いを生むのではないでしょうか。


また、最近よく耳にするファイナンシャルプランナー(資産設計のアドバイス等を行う)と呼ばれる専門家は宅建主任者であることが多いようです。


このように宅建主任者の活躍は幅広く、不動産が関係する場所には宅建主任者が必要なのです。


衣・食・住 が生活の基本といわれる私たちの日常生活では、不動産は切り離せないものです。
したがって不動産を抜きにした経済活動は考えられません。
つまり、宅建主任者には、ありとあらゆる活躍の場が用意されているという事です。

宅建主任者の設置用件

宅建主任者は、国が宅地建物取引業法により、設置を義務づけている法定資格です。


宅地建物取引業法には、「宅建取引業者は各事務所ごとに、その業務に従事する者5名に1名以上の割合で宅地建物取引主任者の資格を持った人を置かなければいけない」と定められています。


この規定は非常に重要で、「各事務所」ごとという事ですから、本社と2つの支店、又は営業所を持つ会社であれば、最低でも3名の宅建主任者が必要という事になります。


また、住宅展示場・現地販売所なども「事務所」の中に入れられます。
事務所に準ずる場所(案内所など)には、最低1名以上を設置しなければなりません。


さらに、「業務に従事するもの5名に1名以上の割合」というように一定割合以上の宅建主任者の設置を義務づけています。


将来的に、「3名に1名以上」、「営業に従事する者は全員」などに、この基準が引き上げられることも十分予想されます。


では、なぜこのように事務所の規模に応じた一定数の宅建主任者を置くように、義務付けられているのでしょう。


それは、その事務所の規模に応じて一定数の宅建主任者を置くことで、取引の相手方とのトラブルを防止しようとしているのです。


このように、法律によって設置を義務づけられている宅建主任者が、いかに重要な存在であるか、お分かりいただけたと思います。


設置を義務づけられている法定資格であるということは、宅建業を行う場合、宅建主任者がいないと事業自体を行うことが出来ないというわけなのです。

宅建主任者の業務内容

宅建主任者が行う業務は、大きく分けて3つあります。


・重要事項の(契約内容、建物概要、引渡し条件など)説明
・契約締結前に交付する書面(重要事項説明書)への、記名、押印
・契約締結後交付する書面(契約書)への、記名、押印


などです。


この業務を行うとき、又は、相手方から請求があったときには、必ず宅建主任者証を提示しなければなりません。


重要事項の説明は、売買の場合だけでなく、アパート・マンションの賃貸の場合も必要です。


たとえ、宅建業者に不利な事であっても、説明する義務があると定められています。
不利な事であっても、なくても説明業務を怠った場合は、法律で罰せられる事になります。


重要事項の説明を含む、宅建主任者の業務として法律で定められている内容を、資格を持っていない人が代わりに行う事は許されていません。


仮に、宅建主任者の資格を持っていない者(営業担当者など)が顧客に対して、重要事項の説明をしなければならない状況になったとします。


その場は、宅建主任者の資格を持たない者が説明する事になりますが、後日、資格のある宅建主任者がもう一度きちんと説明し直す事が必要とされます。


また、重要事項の説明は、重要事項説明書といわれる書面に基づいて行われなければなりません。


重要事項説明書とは、宅建取引業者が宅地・建物の売買や、交換する場合、もしくは仲介、代理により、売買、交換もしくは賃借をする場合に説明が義務付けられている、当該物件に関する一定の重要事項を記載した書面の事です。

業務内容が定められている理由

宅建業者のこれらの業務は、消費者保護の観点から定められています。


不動産の取引には、一般の消費者が持っていない法律の知識や、不動産取引特有の知識など多くの知識を必要とします。


一般の消費者が、不動産業者と不動産の取引をする場合、当然、不動産業者の方が知識の上では消費者を上回っており、消費者と不動産業者の間には、大きな知識の差が出来ます。


そんな知識の差を解消する事で、トラブルを未然に防止し、法的弱者である一般の消費者を守ろうと、宅地建物取引業法が定められているのです。


例えば、こんな法律があります。


幅員4m未満の道路を「二項道路」と呼びますが、その道路に面した住宅の敷地が、道路の中心線から2mの範囲に含まれる場合、その部分の敷地を道路部分(セットバック部分と呼ばれる)として負担しなければなりません。


不動産取引上では、「二項道路」等と呼ばれ、「要セットバック」と表示されているだけでは、一般の消費者には何の事か分らずトラブルの元です。


また、現在は道路が通っていない、又は幅員が狭い道路などで、法律によって新しい道路の建設や拡張が決められている「計画道路」。


もし、この「計画道路」の存在を知らずに土地を購入したら、後で取り返しのつかない事になるかもしれません。


リゾートマンション等の購入時、旅行付きの現地案内会などの催しに参加し、行った先の旅館で、買うつもりも無かった物件の、購入申し込みをしてしまった、など、特殊な場所、状況での購入申し込みは、一定期間内であれば、「クーリングオフ」制度により、申し込みの取り消しをする事が出来ます。


このように、不動産取引では様々なトラブルから、消費者が泣くはめになる事が多く、
宅建主任者は、そんな状況を解消する為の重要な役割を担っています。

資格の活用

それでは、宅建主任者の資格は、どのように活用できるでしょう。


まず資格を取得してから、希望の会社に就職する、という人もおられるでしょう。


もともと、不動産関係に就職を希望している人の場合、宅建主任者の資格を持っている事は就職に有利に働くと思われます。


なぜなら、不動産業界では宅建主任者の資格は必須の資格である為です。


宅建主任者の資格は、年齢、性別、学歴に関係なく受験できるので、就職の前に資格を取っておくことも可能です。


では、不動産関係の仕事以外で働いていて、自己啓発の為に資格を取得しようと考えている人の取得後はどうでしょう。


宅建主任者は人気の高い国家資格で、専門学校などで宅建主任者の資格取得の為の学習を始める人も少なくありません。


それにより、宅建主任者の資格を取る為の専門学校などで、指導する講師が不足しているという状況があります。


その為、こうした専門学校では、合格した成績の優秀な生徒を、講師として養成したいとも考えています。


それにより、自己啓発の為に資格を取得しようと考えていた人には、専門学校の講師という道が拓ける事もあるようです。


では、不動産関係の仕事に就いている人が資格を取得した場合はどうでしょうか。


不動産関係に就職している人にとっては、資格取得はしておく必要があるといえます。


様々な企業において、社員の能力の向上の目的などにより、資格取得を援助する、資格手当てを支給するといった制度が多くあります。


手当ての金額や、有無は企業により様々ですが、資格手当てを支給している企業は少なくないと思われます。


それにより、資格取得で、収入アップが可能と思われます。


宅建主任者の知識は、マイホームを購入する時、または借りる時などにも、とても役に立ちます。
「住」は私たちの身近にあるものです。


不動産関係の仕事に就く人などに限らず、それこそ一般の主婦にとっても、宅建主任者の知識が無駄になる事はないでしょう。

宅建主任者の将来

キャリア・プラン


宅建主任者の知識を自分のキャリアに結び付けていきたいという人や、不動産関係の仕事に就いて、将来的には独立したいという人には、これから何をしなければいけないか明確な計画が必要です。


まず、宅建主任者の資格取得は必須です。


しかし、試験に合格して資格を取得したからといって、準備は終わりではありません。


ここからがスタートなのです。


どのような職業にも、知識、経験、実績が必要といえると思います。


宅建主任者資格の場合も、資格をもっていると不動産の仕事には便利ですが、それだけでは独立には繋がりません。


不動産の営業を経験する事で、実績を積み、開業後に備えて顧客を確保するなど、自分の描く将来の為にやっておくべき事はたくさんあります。


資格を活用するには、資格を取って自分が何をしたいか、将来どうなりたいのか、その準備の為に何をすれば良いのか、キャリア・プランを立てる事が大切です。


宅建主任者の将来性


では、宅建主任者の将来性は、どうでしょう。


不動産業は私達の日常生活からは、切っても切り離せない業です。
よって、今後決して無くなることはない仕事といえると思います。


そんな不動産業界は、大きく様変わりしつつあります。


今まで、地域密着型の中小企業の多かった不動産仲介部門への、大手不動産会社による直営や、フランチャイズチェーンなどの店舗展開などが影響し、地域密着型だった仲介専門不動産会社も、顧客密着型に転換を図ろうとしています。


このような変化の中では、当然、宅建主任者の位置づけも変化せざるを得ないでしょう。


営業担当者として、接客面での今まで以上の働きと、顧客の立場に立ったコンサルタントとしての働き、従来からの不動産取引の専門家としての働きなど、今以上に必要になってきます。


宅建主任者を「5名に1名以上を置くこと」とする基準は、今後「3名に1名以上」といった具合に引き上げられていく可能性があります。


しかし、宅建主任者の重要性が高くなっていくからといって、宅建主任者の将来性が保証されるわけではなく、明るい未来は宅建主任者1人ひとりの努力にかかってきます。


ただ、これから宅建主任者の役割、期待が大きくなっていくという点では、宅建主任者の将来性は非常に明るいといえるでしょう。

宅建試験後

資格登録

宅建主任者になるには、宅建試験を受けて合格しなければなりません。
しかし、実は試験に合格しただけの人は「宅地建物取引主任者になる資格を有する者」と呼ばれ、そのままでは宅建主任者としての業務を行うことはできないのです。


試験に合格すると、合格証がもらえます。
この合格証は合格基準をクリアしたという証明でしかないのです。


宅地建物取引業法では、宅建主任者になるには、資格試験に合格した人の中で、適格要件を満たした人だけを宅地建物取引主任者資格登録簿と呼ばれる名簿に登録しておくことを求めています。


これは、宅建試験の受験に際しては、年齢、性別、学歴など関係なくなんの制限も加えていない代わりに、合格者に対して適格要件を問う事で取得している実務者の水準を高く維持しようということなのです。


資格登録に際しては適格要件を満たすこと、宅地建物に関する2年以上の実務経験があることが必要とされています。


不動産業を行っている会社に勤務している人は、実務経験要件を容易に満たすことができます。


また、実務経験のない人のために、実務経験に代わる「実務講習」が開催されていますので、この講習を受講し、終了すれば資格登録することができます。


適格要件と実務経験を満たすと資格登録を行うことができ、資格登録は原則として受験地の都道府県の知事に対して行うことになっています。


宅地建物取引主任者資格登録簿に資格登録すると、「宅地建物取引主任者資格者」と呼ばれ、登録が抹消されない限り、一生涯有効です。


宅建主任者証

宅建主任者になるための最後の手続きが法定講習の受講です。
法定講習とは、知事が指定する講習のことで、1日で終了します。


講習は、全国宅地建物取引業協会や全日本不動産協会などの業界団体が知事の委託を受けて実施しているものです。


この法定講習を終了すると、「宅建主任者証」の交付が受けられます。
ただし、試験合格後1年以内であれば、法定講習の受講が免除されるという例外があります。


宅建主任者証には、有効期限が設定され、5年ごとに更新の手続きが必要になります。
法定講習は、この更新手続きの際の要件となっていて、更新時にこの講習を受講することになっています。


宅建主任者になるための資格登録と、宅建主任者証の交付手続きが終わって、はじめて宅建主任者となるのです。

試験から合格発表までの間

宅建試験に合格できる実力を持ちながら、なかなか合格できない人がいます。


あともう少しのところで、合格を逃してしまった人は「今年ここまでできたから来年は少しやれば合格できる」という思い込みをしてしまいがちです。


確かに今年の10月の試験では、もう少しで合格できるというレベルだったかもしれません。
しかし、学習した知識を忘れず、学習したままの状態をずっと保っていくことは不可能でしょう。


残念ながら、知識は覚えたときから忘れていくという忘却曲線というものがあり、試験直前に100だった学力は、試験1ヶ月後には70、2ヶ月後には60というようにみるみる低下していきます。


今年ここまでやったのだから、来年は2~3ヶ月の学習で十分だと思い込み、翌年、10月の試験を目指し7月から学習を始めた場合、去年学習した知識はほとんど残っておらず、ほぼゼロの状態からのスタートになるでしょう。


では、どうするのがよいのでしょうか。


試験が終わっても合格発表があるまでは、学習をやめないこと、これが大事になってきます。
10月の試験から12月の合格発表までの間、学習を続けることが翌年の試験の合否を分ける大きなポイントとなります。


ここでの学習は学力の維持が目的です。


試験翌日、前日受けたばかりの本試験問題をもう一度解いてみましょう。
解答速報を使って自分の得点を確認することもできます。


ここでの前日の本試験問題の復習は、1日前に解いたばかりの問題であること、本試験会場でいつも以上に真剣に考えて解答しているので、問題についての記憶が鮮明に残っていること、という点から、次の試験を目指した受験学習としては、実に効果的であるといえます。


次に、本試験直前に使っていた過去問題集を1日10問解答することを実行しましょう。
10月の試験から12月の合格発表までの間で、確実に30日勉強できれば300題の問題演習ができ、単純に計算すると300題÷50問=6年分の過去問題ができることになります。


試験前の学習より、試験後の学習の方が、気持ちに余裕があるのが当たり前ですので、この過去問題集をすることで、試験前にみえてこなかったことが試験後の学習では不思議と理解が進んだりして、次に繋げることができるでしょう。


何回も受験しているが、いつももう少しで合格を逃しているという人には、是非実践してもらいたいと思います。

1単位90分の学習時間

大学の講義は90分で、講演時間なども90分が多いようです。
60分では短すぎ、120分では長すぎる、90分がまとまりとしては、ちょうどよいのかもしれません。


では、1日90分の学習を1年間毎日続けるとどうなるか、計算してみましょう。
90分×365日=約550時間となります。
これが、ただの計算上の数字となるか、実現可能な学習時間と変わるかは皆さん次第です。


では、実現可能な学習時間にするために、この1日90分をどこからどう捻出するかですが、この90分、たとえば、朝早く起きるということを実行するだけで簡単に十分捻出できます。


朝早く起きるのが苦手だという人や、夜の方が集中できるという人もいるでしょう。
しかし、夜の時間帯は、残業や会合など、自分だけの思惑ではどうしようもない要素が多くあり、毎日学習するのは難しそうです。


その点、朝の出勤前の時間帯は自分の意思と努力で必ず毎日時間を確保することができます。
夜に学習する方がよいと思っている人も、発想を変えて思い切って朝の学習に切り替えてみるのもよいのではないでしょうか。


早朝ウォーキング、ラジオ体操など、朝の活動はなかなか気持ちのよいもので、朝は夜と違い、頭の働きも冴えているので能率が上がるのではないでしょうか。


人間の歴史の上でも、今のように夜型の生活になってきたのは、ほんのつい最近のことで、電気のない時代は、日の出とともに活動を開始し、日没とともに寝るという生活が当たり前でした。
私たちの本来の生活パターンは朝型であるはずなのです。

早朝学習

今まで、朝の7時くらいに起きていた人が5時に起きてみると、きっと別世界のように感じると思います。


朝の7時ともいえば、ほとんどの人が起きているので、各家庭の生活音で少し騒がしいくらいかもしれません。


しかし、朝の5時に起きている人は少なく、家の外からの騒音も少ないでしょう。
普段は騒がしい朝が、この時間帯は別世界になるのです。


静けさに頭の働きも冴え、学習がはかどることは間違いないと思います。
夏であれば、朝のうちは幾分涼しいため、実にすがすがしい学習時間になるでしょう。


この時間をどう活用していくか考えてみましょう。


家族が誰も起きていない早朝の学習は不思議なほど効率が上がります。
まず、この早朝の時間帯に90分の学習時間を確保すること。


そして、この時間帯に学習する内容ですが、前日のうちにきちんと準備をしておきましょう。


朝、起きて顔を洗ったらすぐに学習にとりかかり、必ず90分学習してください。
この早朝の90分の学習を習慣化させることが合格へ近づけることになります。


また、早起きの効用は学習だけでなく、他にもメリットがあります。


たとえば、通勤など、普段は満員電車に揺られて会社に行く人も、朝早く起きて学習することで、家を早めに出ることが可能になり、空いている電車に乗れるかもしれません。


電車が空いていて、座ることができるようなら、この通勤時間内でも学習することが可能になります。


それに、何も家で学習しなければならないということは無いので、朝早く起きて家を出て、空いている電車で会社に行き、会社で学習しても良いでしょう。


会社であれば、机はありますし、早朝ですので、静かであることは間違いないでしょう。
通勤電車はもちろん空いていると思われますので、電車内でも学習することができます。


このように早朝の学習には、メリットがあります。


早朝の学習を習慣化し、貴重な時間を捻出することができます。
この時間を活用し、受験学習に役立てましょう。

習慣化

どんなことでも、習慣化するには、ある程度の期間を必要とします。


特に受験学習においてはなおさらで、自分の学習スタイルを確立するだけで3ヶ月はかかるでしょう。
学習を習慣化するのに3ヶ月程度が必要となり、その習慣化した学習を継続することで、合格するために必要な実力が備わってきます。


早起きして出勤前に学習することを薦めていますが、ずっと朝7時に起きていた人が、これから朝5時に起きるというのは辛いものです。


しかし、これも習慣化してしまえば、目覚ましを使わなくても自然と目が覚めるようになるものです。


この早起きを習慣化させるのにも、やはり3ヶ月くらいの期間が必要でしょう。


また、早起きをするためには、早く寝ることも必要になります。そのため早寝早起きを習慣化させるのがよいでしょう。


この早く起きるために、早く寝るというのは一定の睡眠時間を確保するために必要なのです。


たとえば、朝5時に起きるのならば、夜は11時には寝るようにする、これで睡眠時間は6時間確保されます。


自分に必要な睡眠時間を確保するために、起きる時間から逆算して、寝る時間を決めるとよいでしょう。


睡眠の中身についても、中身の濃い睡眠を取るようにしましょう。


布団の中に入ってもなかなか寝付けないなど、布団に入った時間と実際に眠りについた時間が違うということは、睡眠時間は十分確保されているとはいえません。


学習もそうですが、睡眠についても集中して効率良く取ることが必要です。


睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠というサイクルがあります。


レム睡眠時は、脳の働きが活発になり、起きる準備をし、ノンレム睡眠時は、脳や身体の回復・維持活動を行います。


この2つの睡眠状態は90分サイクルで交互に繰り返され、レム睡眠時に起きるほうがスッキリと起きることができ、反対にノンレム睡眠時に無理に起きると、脳の回復・維持活動を阻害するため、頭がボーっとした状態になるようです。


6時間の睡眠時間はこのサイクルにあてはまっているようです。


このサイクルを参考にして、睡眠時間を取ることで、中身の濃い睡眠がとれるのではないでしょうか。

朝の学習効率

これから、宅建試験に向けて学習を始めるという人は、いつもより、2時間早く起きてみましょう。
90分の学習時間と身支度などを考えると、2時間は必要でしょう。


いままで、7時に起きていた人は5時に、6時に起きていた人は4時に起きなくてはなりません。もちろん前日の夜はいつもより早く寝るようにします。


早起きするというのは大変辛いことですが、この努力が合格に近づくと思えば不思議と苦にはならないと思います。


朝は頭の働きも冴えているので、夜に比べて学習がはかどり、夜の2倍~3倍は効率良く学習できるでしょう。


朝の1時間は夜の3時間に匹敵するぐらい効率が良いと思われ、朝の圧倒的な頭の冴えは思考的学習に向いているといえます。


夜遅くまでテキストを読んでいても、なかなか理解できなかったことが、朝の頭の働きが冴えているときに読むと、スッと理解できたりします。


これは、人間の脳は寝ている間も働いているためだと思われます。


朝の学習こそ、テキストを読んで内容の理解に努める資格試験の学習に最適で、思考型のテキストの読み込みなどを行うのがよいでしょう。


反対に、夜は脳の働きも低下しているので、思考力を必要とするものには向かず、暗記型の学習がよいでしょう。


このようなことから、朝の学習の方がはるかに学習効率が高いといえると思います。


朝早く起きるのが苦手な人も、夜の学習の方がはかどると思っている人も、朝の学習に目を向け、まずは、早起きをはじめましょう。


最初はつらいでしょうが、しばらく頑張れば体が慣れてくるでしょう。
早起きが習慣化すれば、苦にはならなくなります。

宅建試験の概要

宅建試験概要


宅建試験は、毎年1回10月の第3日曜日に行われます。


宅建試験は国家試験ですが、各都道府県単位で実施されています。


宅建試験は各都道府県の委託を受けて、指定試験機関である財団法人不動産適正取引推進機構が実施する事になっています。


よって、願書の提出、試験会場、合格発表などは、自分が受ける都道府県に問い合わせる事になります。


また各都道府県ごとに協力機関というものがおかれ、試験事務の処理などにあたっています。


この試験は、現住所がある都道府県で、受験しなければなりません。


会場は、大学、高校など、県内に数ヵ所ある場合と、1ヵ所だけの場合とあるので、注意しなければなりません。


試験案内の配布は、一般的に県内数ヵ所の配布先が指定されており、試験実施機関及び、試験協力機関から新聞などを使って広報されます。


配布は例年7月の初めからになります。


申し込みは、インターネットまたは、配達記録郵便による郵送になります。


受験資格・出願書類


年齢・性別・学歴に関係ないので、誰にでも受験資格があります。


受験申し込みの時に必要なものは、「宅地建物取引主任者資格試験申込書」という受験申込書です。


写真1枚と、受験手数料を払い込んだ証明書(払込受付証明書)を所定欄に貼り、必要事項を記入した受験申込書が必要です。


申込用写真については、不正受験防止等の為、条件が厳しいので、試験案内に書いてある申込用写真についての内容を、よく読んで注意してください。

宅建試験

試験の内容


試験は宅地建物取引業に関する実用的な知識を有し、その知識が次の内容のおおむね全般に及んでいるかどうかを判定することに基準を置くものとします。
(試験の内容-宅地建物取引業法施行規則第8条)


a)土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
b)土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
c)土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
d)宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
e)宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
f)宅地及び建物の価格の評定に関すること。
g)宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。


ただし、指定講座修了者(財団法人不動産流通近代化センターの講習を受講、終了試験に合格し、修了証の交付を受けた者)は、合格の日から3年以内に行われる宅建取引主任者試験において、試験の一部免除が受けられます。


注目すべきは、全ての項目に「土地及び建物についての」または、「宅地及び建物についての」という限定が付いていることです。


あくまでも、試験の対象領域は、「土地」「宅地」「建物」という不動産に関連する法律であり、税であるということなのです。


試験は、上記(aからg)の内容について50問4肢択一のマークシート形式で行われます。


合格ラインと合格率


試験の合格ラインについては、基準が公表されていませんので、確かな事はいえませんが、
過去のデータから、約70%の正解率(正解数約35問)が合格ラインのようです。


合格率については、多少の変動はありますが、過去のデータを平均すると15~16%程度です。


この15~16%という合格率は100人中15~16人しか合格できないということを示していますから、かなり難しい試験であることは間違いありません。


しかし、他の不動産関係の法律系資格試験の合格率は、宅建主任者試験の合格率を下回るもので、合格率で見る限りは、不動産関係の法律系資格試験の中では、宅建主任者が一番合格しやすいともいえます。


もちろん合格率といっても、あくまで全体の平均です。
性別、年齢、都道府県別に見ると、また違った数値がでてくると思われます。


したがって、平均の合格率を気にする事より、効率的な学習方法を身につけ、努力し、自分自身の合格の可能性を高めていく事が大事です。

宅建主任者を目指す

宅建試験の受験者層

宅建試験は、不動産ブームの影響により、平成元年から受験者数が急増し、平成2年にピークに達し、その後、減少しました。


減少したといっても、今なお20万人もの受験者数で、受験者数では、国家試験の中で、最大規模と言えます。


この数は、他の不動産関係の資格の受験者数と比べると驚異的な数字であります。


過去のデータを男女別にみてみると、受験者は、女性より男性の方が多いようです。


合格率は女性の方がわずかに高く、受験率(試験に申し込み、実際に受験した人の率)も同様に女性の方が高いようです。


また、受験者の年齢をみてみると、高齢の人で80代、若い人だと10代という幅広い年齢層で、平均年齢は33.3歳となっているようです。


職業別にみると、やはり、不動産業が多く、次に建設関係、金融関係となっているようです。


不動産関連の業種の受験者数が多いのは、当たり前でしょうが、最近では学生、主婦、他職業の受験者数が増加してきているようです。


これらのデータより、宅建主任者の資格を目指す人たちがいかに幅広い層か、お分かりいただけたと思います。


宅建主任者資格が、誰でも目指す事ができる資格だという事がデータをみても明らかでしょう。


宅建試験の流れ


(財)不動産適正取引推進機構ホームページ上で掲載、又は各都道府県ごとに指定の場所で配布される試験案内の入手


インターネット又は、郵送による受験申し込み


受験票の送付


毎年10月の第3日曜日に行われる宅建試験 


毎年12月の第1日曜日に行われる合格発表      
      

合格証書の送布


合格後、宅建取引主任者になるためには、受験地の都道府県知事の宅建取引主任者資格登録を受け、宅地建物取引主任者証の交付を受けなければなりません。

宅地建物取引業法

宅建試験は、以下の7つの分野から50問が出題され、4肢択一式で行われます。


a)土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
b)土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
c)土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
d)宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
e)宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
f)宅地及び建物の価格の評定に関すること。
g)宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。


この試験の内容は、いずれも不動産取引の実務を行う上で必要となるもので、この不動産取引の実務を行う際に不可欠な法律が、宅地建物取引業法なのです。


不動産取引は、この法律に基づいて行うことが義務付けられています。


宅地建物取引業法によって、宅地建物取引業は「宅地若しくは建物の売買若しくは交換、又は宅地若しくは建物の売買・交換若しくは賃貸の代理若しくは媒介をする行為を業として行うもの」と定義されています。


要するに宅地建物取引業とは、不動産の売買や、交換を自ら直接行うまたは、売買や交換の仲介をするものだと言うことです。


そして、この業務を営業として行うものを、宅地建物取引業者と呼びます。


この業者は営業の許可である免許を持っている個人や会社のことで、反対に無免許で宅地建物に関する取引を行っている者を「宅地建物取引業を営む者」として、区別しています。


宅地建物取引業を営もうとする者は、免許を受ける必要があります。


この免許には、2つ以上の都道府県の区域に事務所を置いて事業を行う場合の免許の国土交通大臣免許と、1つの都道府県の区域にのみ事務所を置いて事業を行う場合の都道府県知事免許の2種類があります。


これは、単に事務所を置く県の違いによる区分なので、免許の効力は同じで、どちらの免許でも日本全国で業務を行うことができます。

宅建主任者制度

宅地建物取引業法には、宅建主任者制度も規定されています。


宅建主任者とは、宅建試験に合格し、都道府県知事の登録を受け、宅地建物取引主任者証の交付を受けた者のことです。


そして、宅地建物取引業者は、各事務所ごとに「業務する者5名に1名以上の割合」、または国土交通省で定める事務所に準ずる場所については1名以上、成年である専任の宅建主任者を置かなければならないことになっています。


宅建主任者制度については、資格登録、取引主任者証についての内容も規定されています。


取引主任者証は、登録知事が発行する公文書である証明書で、宅建業の免許と同様に有効期限があり、更新の手続きが必要です。


宅地建物取引業法では、宅建業を営む場合の金銭的裏づけを、営業保証金・保証協会制度として規定されています。


営業保証金・保証協会制度とは、多額の金銭の授受が伴う宅建業者の営業活動における社会的安全を確保するための制度です。


営業保証金とは、あらかじめ宅建業者が供託所へ供託しておく保証金のことで、営業上の取引による債務の支払を担保するためのものです。


供託とは、金銭や有価証券を供託所(法務局やその支局)へ預けておくことを言い、いざというときに債務者(供託した者)に代わって供託所が権利者に供託された金額等を取得させて債務を消滅させる制度です。


宅建業者は、国土交通大臣または都道府県知事に、供託した旨の届出をしなければ、すべての事務所で事業を開始することができないのです。


保証協会は、個人が行う保証金による弁済業務を代わって行う機関の事です。

業務に関する規制

宅地建物取引業法には、「業務に関する規制」も規定されており、不動産取引を行う上では、必ずこの法律に基づいていなくてはなりません。


「業務に関する規制」からは、数多く出題されているようですので、この部分を理解する事は学習する上で重要になってくると思います。


業務に関する規制は、大きく3つに分けて学習すると理解しやすいと思います。


a) 広告から契約に至るまでの規定について
b) 宅建業者が売主になる場合の遵守義務
c) 一般業務上の規制


まず、a)については、誇大広告等の禁止、広告の開始時期の制限、取引の態様、媒介契約、代理契約、重要事項の説明等、供託所に関する説明、契約締結の時期の制限、書面の交付といった内容になります。


広告に関しては、誇大広告と広告開始時期が規制の対象で、誇大広告では、規制の対象になる項目と、禁止される行為を中心に整理しましょう。


禁止される行為とは、実際のものよりも著しく善良であるとか、有利であると人を誤認させるような、著しく事実に相違する表示の事をいいます。


広告開始時期の規制では、未完成物件についての広告開始の時期が規制されています。


禁止される内容を、宅地建物取引業法に定義されている取引態様別に整理することが大事です。


宅地建物取引業法の定義が十分理解できていれば、取引様態で宅建業者が取引にどのような立場で関わるのかを理解することができると思われます。


媒介契約については、媒介契約書の交付の業務、書面記載事項、媒介契約の種類とその内容について理解しましょう。


重要事項の説明では、説明の時期、相手方、方法及び説明事項が大事になってきます。


重要事項の説明は、取引主任者が行わなければならず、説明する際には、必ず重要事項説明書という書面にそって行われなければなりません。


その際、宅建主任者は取引主任者証を相手方に掲示する必要があります。


取引の様態によって、説明すべき相手方は、取得しようとする者、買主、借主とそれぞれ異なります。


書面の交付は宅建業者自らが当事者として、または、代理人として契約を締結します。
また、媒介して契約成立させたときは、相手方に対して契約内容を記載した書面を交付する必要があります。


契約締結の時期の制限とは、未完成物件について一定の許可がないうちは、売買、交換については契約を締結、媒介したりしてはならないというものです。


b)の宅建業者自らが売主になる場合の遵守義務についての内容は、自己の所有に属しない宅地、建物の契約締結の制限、事務所以外の場所においてした買受けの申し込みの撤回等(クーリング・オフ)、損害賠償額の予定等の制限、手付け額の制限、瑕疵担保責任についての特約の制限、手付け金当の保全措置、宅地、建物の割賦販売の契約の解除等の制限、所有権留保等の禁止などです。


これらは、売主が宅建業者で、買主が宅建業者でない場合にのみ、消費者保護規定により適用されます。


買主が宅建業者である場合は適用されませんので、注意してください。


最後にc)の一般業務処理上の規定についての内容は、不当な履行遅滞の禁止、守秘義務、報酬、業務に関する禁止事項、証明書の携帯、帳簿の備付、標識の掲示などです。

権利と権利変動

民法を中心とした権利と権利変動の出題範囲は、民法と民法の特別法である借地借家法、建物区分所有法、不動産登記法などから構成されているようです。


1044条もの膨大な条文から成り立つ大法典である民法を攻略する事が「権利と権利変動」を攻略する第一歩です。


民法は、総則、物権、債権、相続の4つの部分で構成されています。


総則


民法総則は、民法全体に関する共通事項を規定したものなので、出題数が占める割合以上に学習する上では重要になってくるでしょう。


契約の成立、意思表示、行為無能力者、代理、時効の各項目が大事な部分です。


物権


物権では、地上権、永小作権(えいこさくけん)、地役権、入会権(いりあいけん)、留置権、先取特権(さきどりとっけん)、質権、抵当権のそれぞれの権利について整理しておくことが重要でしょう。


これらの物権が変動する場合の意思表示、公示などについても学習しておきましょう。


債権


債権関係は、民法の中でも出題数が多い最も重要な部分です。
弁済と相殺、債務不履行、解除・手付け、契約の解除と危険負担、売主の担保責任、保証債務、連帯債務、債権譲渡と分割、不分割債務、委任及び請負契約、不法行為関係などを中心に整理しておきましょう。


相続


相続人、相続分、相続の承認と放棄、遺言、遺留分などを中心に整理しておきましょう。


民法の特別法である借地借家法は、建物の所有を目的とする地上権および土地の賃借権の存続期間、効力に関して、借主を保護するため、民法を修正して特別に立法されました。


借地借家のトラブルについては、民法に規定があっても、借地借家法に規定がある限り、借地借家法が優先的に適用されます。


建物区分所有法では、建物の区分所有、管理者、規約および集会、義務違反者に対する措置、共用部分の復旧、建替えなどの理解が重要になります。


不動産登記法では、登記簿、登記の手続き、登記簿の閲覧など、不動産登記の種類、仮登記、登記申請の必要書類、区分所有建物の登記の効果などについて、学習しておきましょう。

法令上の制限

法令上の制限では、都市計画法、建築基準法からの出題を占める割合が大きいので、まず、この2つの法律を中心に学習しましょう。


その次に国土利用計画法、土地区画整理法、宅地造成等規正法、農地法などを学習しましょう。


1.都市計画法


都市計画および、都市計画法全般、開発行為に関する問題が重要です。


都市計画とは、都市を一体の都市として総合的に整備、開発し、保全するための計画です。都市計画を実施する場所を都市計画区域として指定します。


開発行為とは、建築物の建築、特定工作物の建設を目的として、知事の許可を受けた上で、土地の区画形質の変更をする行為の事です。


2.建築基準法


建築基準法は、建物の建て方の基準を、総則、単体規定、集団規定の3つの大きな区分で規定しています。


総則


総則では、用語の定義、建築基準法が対象とするものを最初に規定しています。


次に建築物が一定の基準に適合しているかを審査する建築確認を規定しています。


単体規定


個々の建築物の敷地、構造、建築設備の安全、衛生のための基準を定めた規定で、全国どこでも一律に適用されます。


例えば、大規模な建築物の主要構造物・外壁等の構造、耐火建築物、採光・換気などに関するものです。


集団規定


建物の集団的な環境の維持と安全を保全する為、都市計画区域において適用される規定で、主要なものとして、道路、用途制限、建ぺい率、容積率、斜線制限、日影制限などです。

3. 国土交通利用計画法


国土利用計画法からは、届出の規定が重要で、届出を必要とする土地取引についての規定です。


規制区域外の土地で土地売買などの契約締結しようとする者は、都道府県知事に対して、土地売買の予定対価、土地の利用目的などの届けを出さなければなりません。


4. 土地区画整理法


土地区画整理法は、法律条文数も多く、広範囲から出題されると思われます。


過去の本試験問題を中心に仮換地の指定、換地処分、換地計画、土地区画整理事業などを学習しておくことが重要です。


5. 宅地造成等規正法


  宅地造成規正法では、用語の定義、宅地造成工事規制区域の指定、宅地造成工事の許可、宅地造成工事の届出などを中心に学習しましょう。


6. 農地法


  用語の定義、農地などの権利移動の制限、農地の転用または、転用のための権利移動の制限などとなります。

出題傾向

税金、その他の実務

この分野からは、次にあげる4つの項目から問題が出題されているようです。


税金
固定資産税、不動産取得税、所得税、贈与税、印紙税、登録免許税などからの出題が考えられます。


取引の実務
不動産業についての統計、住宅金融公庫法、不当景品類・不当表示防止法などからの出題が考えられます。


価格の評定
地価公示法、鑑定評価基準からの出題が考えられます。


土地建物の知識
土地に関する知識、建物に関する知識からの出題が考えられます。


明らかな出題傾向

宅建試験では、土地建物の知識、権利と権利変動、法令上の制限、税金、需給と取引の実務、価格の評定、宅地建物取引業法の7つの分野から50問の問題が出題されます。


この内、権利と権利変動、法令上の制限、宅地建物取引業法の3つの分野は、宅建試験の「主要3分野」と呼ばれ、過去のデータから、この主要3分野の攻略が合格の鍵といえるほどの出題数があるといえます。


この明らかな出題傾向から、主要3分野に学習を集中する必要があるといえるでしょう。


宅建試験においては、主要な3分野とそれ以外の分野を分けて学習することが重要です。


出題頻度の低い分野に何時間もかけるよりも、出題頻度の高い分野を集中的に学習する方が、学習効率としては、良いでしょう。


学習の中心は、この主要3分野に置き、この部分から学習を始めるのが良いとおもわれます。


主要3分野での学習が大事なのは、過去のデータによる出題傾向から見ても明らかですが、かといって、それ以外の分野の学習をしなくていいという事では、ありません。


主要3分野において、約80%の正解率を上げれば、過去のデータ上では合格基準を満たす可能性はあります。


しかし、主要3分野のみに学習を集中してしまうと、その分野については、間違える事が許されなくなってしまい、精神的に厳しい状況になってしまいます。


出題数が少ない科目には、必要以上に時間をかけず、効率良く取り組む事が大事です。

学習前半

学習前半は知識取得期として、試験に必要な知識の全体像を理解することを目標としましょう。


学習前半は、とにかくテキストを最後まで読み通すことを中心としましょう。
その際、内容を完璧に理解する必要はありません。


全くの初心者に、最初から全てを完璧に理解しながら先へ進もう、というのはかなり難しいことです。
なかなか先に進めず、挫折することになってしまいかねません。


テキストを読んでいて、理解できない所があっても気にせず先に読み進めましょう。


この時点では、科目全体の構成や仕組み、宅建試験の分野ごとの結びつきなどといった全体像の理解・把握に重点を置きましょう。


よく、初めて読むテキストを、マーカーだらけにしてしまう人がいます。


しかし、初心者の人が、はじめてテキストを読むときには、おおよそはじめて目にする専門用語ばかりで、どこが重要なのかわからないものですから、ラインマーカーを引くと却って重要な部分がわかりにくくなってしまいます。


だから、はじめは何もしないで読み進めてみましょう。


1冊のテキストを1ヶ月かけて1回だけしか読まないよりも、理解できてなくても、1週間で1冊を読むほうが、同じ1冊を1ヶ月で4回読むことになり、学習がスムーズに進む、理解が深まる、各分野の重要な部分を把握できる、ようになってきます。


何度も繰り返し読むことで、最初のうちは理解できなかった個所が理解できるようになってくることもあります。


この時期の学習では、「宅建業法」「権利」「制限」という主要3分野に重点をおいて学習し、この3つの分野の理解を深めることで、宅建試験で求められている知識の大枠を理解することを目指しましょう。

法律の学習

難解な用語を使って書かれている法律は、法律の学習がはじめてという人には、とても難しいものだと思われることでしょう。


しかし、法律は難解なようにみえますが、体系的に構成されているので、ルールさえわかれば理解しやすくなります。体系を理解することから学習をはじめましょう。


私達の身の回りにも、憲法、民法、刑法などさまざまな法律があります。
これらの法律には、体系に基づいた階層性があり、みな同じではありません。


法律の体系には、規定の根幹をなす「法律」、その付属の法令「施行令」、「施行規則」と呼ばれるものがあり、法律は、国会で制定されますが、施行令は内閣が、施行規則は各省庁の大臣が制定します。
「憲法」は、これらのすべての法律をトータルに規定するものです。


また、法律は、「一般法」と「特別法」と呼ばれる関係を結ぶことがあります。


一般法とは、原則を規定したもので、特別法というのは一般法の原則に対する例外を規定したものです。
その関係は相対的なものです。


例えば、憲法と民法は、憲法を一般法とし、民法は特別法の関係になりますが、
民法と宅地建物取引業法との関係は、民法を一般法とし、宅地建物取引業法は特別法の関係になります。


宅建試験の分野である民法と宅地建物取引業法について考えてみましょう。


宅地建物取引業は宅地建物取引業法によって解決されることが基本になっています。
宅地建物取引業法によって解決することができない問題については、民事に関することを包括的に規定している民法によって解決されることになります。


このように特別法である宅地建物取引業法が一般法である民法に優先することとなります。


このことは、「特別法は一般法に優先する」といわれます。


このような法律の体系の理解により、「宅地建物取引業法に規定していない問題については、民法の規定を適用する」などということを理解することができ、学習をスムーズにします。


また、法律は幹の部分を規定して、政令は法律では規定しきれない細かい内容を規定し、省令では、政令で規定できないさらに細かい内容を規定していることから、法律→政令→省令という関係になります。


要するに、法律である宅地建物取引業法の条文に、「政令で定める」とあれば、宅地建物取引業法施行令の該当個所を参照、宅地建物取引業法施行令のなかに「省令で定める」とあれば、宅地建物取引業法施行規則を参照することになります。


また、法律の条文は、条文自体が体系的に編成されていて、後ろに書かれている条文は、前にある条文の影響を受けるということになります。


例えば、民法では、条文全体を第一編総則、第二編物権、第三編債権、第四編親族、第五編相続と5つに分けて規定されていて、この中で、第一編の総則は、民法全体を規定する内容となっています。


体系に従って学習をしていくことで、法律の学習がなじみやすくなっていくでしょう。

法律条文

具体的に法律条文を読むための基本的な法令用語の基礎知識について説明していきます。
法令用語はその意味することが厳しく決められています。


代表的なものを説明していきます。


・「条」「項」「号」


法律では規定すべき内容のひとまとまりを「第○○条」という形で表記し、これを条文と呼びます。
第1条から連番で規定され、民法は第1条から第1044条までとなっています。


「第○○条削除」などと記載された条文もあり、これは、後になって規定の内容が実態に合わなくなって削除された条文のことで、逆に後から追加された条文は「第○○条ノ2」というように、元になった条文に「ノ2」という枝番を付けて表され、最初に付けた条文数は変更になることはありません。


「項(こう)」とは、条文の文章が改行され2つ以上の段落で構成されているとき、その1つ1つの段落のことをいいます。


「号(ごう)」とは、条文の内容をわかりやすくするために箇条書きにされているもののことをいいます。


・「本文」「ただし書き」


条文の規定のなかで、2つの文節がある場合「ただし」という言葉で始まっている文節を「ただし書き」といい、「ただし書き」の前の文節を「本文」といいます。
「本文」で規定した内容の例外を規定する場合に、「ただし書き」が用いられます。


・「以上」「以下」「超える」「未満」


いずれも数値や時間を比較する場合に用いられ、「以上」「以下」が基準値を含むのに対し、「超える」「未満」は基準値を含みません。
例えば「10以上」ならば基準値である10を含みますが、「10を超える」は基準値である10を含みません。


・「又は」「若しくは」


「又は」は選択的に語句を並べるときに用いられ、AかBか2つに1つというときは、「A又はB」となり、AかBかCのうちの1つというときは、「A、B又はC」となります。


選択される語句に段階があるときは、「A若しくはB又はC若しくはD」のように、まず、「又は」で大きな選択が行われ、次に「若しくは」を用いて小さいほうの選択が行われます。


・「及び」「並びに」


「及び」は、名詞や動詞が併合的に並べられる場合に用いられ、AとBという場合には「A及びB」、AとBとCという場合には「A、B及びC」となります。


「並びに」は、並列される語句に段階がある場合に用いられ、「A、B及びC並びにD、E、F及びG」というように、大きな意味のまとまりを並列するときに「並び」が使われ、小さな意味のまとまりを並列するときに「及び」が使われます。


その他にも、いろいろな法令用語があります。

法令用語

宅建試験には、受験資格の制限がなく、学歴、年齢、性別に関係なく誰でも受験することができます。
そのため、宅建試験を受験しようとしている人の中で、法律の学習が初めてだという人は少なくないと思います。


法令用語は日常的になじみのうすい用語だと思います。
そのため、用語の意味がわからずに、思うように学習を進められないこともあるでしょう。


ここで、いくつかの用語を簡単に説明しておきましょう。


民法総則より、


契約の成立

対立当事者間に、売買、賃貸借契約等の法律効果を発生させるための意思表示が合致す
ること。契約が成立するには申し込みの意思表示と承諾の意思表示が合致すればよい。


意思表示

当事者が一定の法律効果の発生を意図して心の中で思っていること(意思)を外部に表
示する行為。


行為無能力者

単独で完全に法律行為をなし得る能力を行為能力といい、意思能力の不十分な者を行為
無能力者としている。未成年者などが無能力者に定められ、その無能力の範囲、程度が
設定されている。


代理

 代理人が本人に代わって相手方に対して意思表示をする、または相手方からの意思表示を受けること。つまり、代理とは、「他人の行為」によって、自分が効果を受ける制度のこと。

 
時効

一定の事実状態が長年にわたって継続した場合、その事実状態をそのまま尊重して権利関係を法が認める制度のこと。
時効には、取得時効(これまで持っていなかった権利を時間の経過により取得する場合)と消滅時効(これまで存在した権利が時間の経過により消滅する場合)の2種類があります。


このように、正しい法令用語の意味を知ることが、法律への理解を深め、学習をスムーズにすることでしょう。


法令用語を理解することは基本中の基本ですが、重要視されていない場合がありますので、しっかりと意味を理解しておくことが必要になってきます。

法的思考力

宅建試験は法律の試験であり、法律の問題を解くには、法律の枠組みの中で思考を展開する必要があります。


試験においての判断基準が法律そのもの、という考え方をするときに大切なのが「リーガルマインド」と呼ばれる「法的思考力」です。


法的思考力とは、なにも特別なことではなく、法律が規定しようとしている内容が理解できればよいわけで、法律が想定している世界と同じ世界の判断基準で判断できればよいことです。


宅建試験が対象にしている法律の中心は民法です。


民法はさまざまな法律の根幹をなす法律であり、1044条もの条文からなる大法典ですが、民事を扱っているもので、私たちの日常に大変なじみのあるものといえるでしょう。
したがって、法律の学習がはじめての人には、法的思考力を養成するための一番よい入り口であるといえるでしょう。


民法では第一編総則で、この法律が対象とする世界を決めています。
個々人の考える世界は皆同じものではないため、考える人の数だけ世界が存在することになります。
これでは、1つのことを議論するのに具合の悪いことが起こります。


そこで、民法では総則の中で、たとえば「人」といった場合には、すべての人間を指しますというように誰もが同じ立場、同じ世界で物事が考えられるようにいろんなことについての枠組みが規定されています。


民法を理解するためには、この枠組みの理解が必要ですが、少々厄介なことに民法が規定している枠組みは、多少私たちとは異なった判断基準があります。


例えば、民法の中ではよく「善意」と「悪意」という言葉が使われますが、
法文上では、「問題となっている事実をしらないこと」が善意の意味であり、「当事者が問題となっている事実をしっていること」が悪意の意味になります。

私たちが日常的に使う言葉の意味とは多少異なっていると思います。


このような法律的な枠組みの中で、物事が判断できる力のことを法的思考力といいます。


民法は社会生活に関する一般原則を定めたもので、私的所有権絶対の原則、契約自由の原則、過失責任の原則という個人主義原理に則っています。


言葉は難しいですが、言っていることは、極めて当たり前のことなのです。


私的所有権絶対の原則というのは、個人の所有する物は、その個人が自由にできるというもので、契約自由の原則は、当人同士の意思が合致すれば自由に契約を結ぶことができるというもの、過失責任の原則については、他人の意思による行為に過失がある場合だけ、責任を負えばよいというものです。


このように、民法で規定されていることは、私たちに無理なく理解できる内容になっていて、私たちの常識の範囲での判断と大きく異なることはないのです。


したがって、民法の問題で判断に迷うような出題があれば、常識的に判断するとどうか考えることが大事で、法律の基本的な立場、考え方を理解することで条文の理解などが簡単になる場合があるでしょう。

民法 「総則・物件・債権」

第一編「総則」

権利と権利変動の学習は民法中心の学習です。


民法は、第一編の総則から第五編の相続までの五編に分かれていて、試験対策としては、総則、物権、債権の3つの部分が重要になってきます。


民法の第一編の総則には、民法全体に関する共通事項が規定されていて、第1章「人」、第2章「法人」、第3章「物」、第4章「法律行為」、第5章「期間」、第6章「事項」という6つの章からなっています。


第1章「人」、第2章「法人」
民法で規定している主体は誰であるかを示し、民法では会社も法人と呼び、法律上は人として扱われます。
民法では、人間(自然人という)と会社(法人)が主体になります。


第3章「物」
主体が関心を持つ対象物(主体に対して客体という)を明らかにします。
宅建試験では、不動産のことがあてはまります。


第4章「法律行為」
どのような行為が法律上どのような意味を持つか、例えば、不動産を買いたい場合どうすれば法律上「買う」という行為が認められるかが規定されています。


第5章「期間」、第6章「事項」
ある一定の時間の制約を決めておかなければ、法律上の効果が確定せず、都合の悪いことが起きるため、月日の流れがどのように法律上の効果に影響を及ぼすかが定められています。

第二編「物権」

「物権」とは、土地や建物の所有権などの権利のことで、「物権法定主義」といいます。
民法によって法律で定められている物権は、占有権、所有権、用益物権(他人の物を使用収益できる権利のことで、地上権、永小作権、地役権及び入会権)、担保物権(債権保証のために利用する権利のことで留置権、先取特権、質権及び抵当権)


不動産の取引では、所有権が頻繁に移り、その移り変わりをきちんと法律的に確定させておく必要があるため、これらの権利の内容を理解すること、これらの権利を人に認めてもらうためにはどのようにするか、しっかり押さえておきましょう。

第三編「債権」

「債権」とは、権利と義務の関係(契約関係)です。


不動産の売買の場合、売る側には、不動産の所有権を買主の側に移す報酬(売買代金)をもらえる権利が発生し、買う側には、報酬(売買代金)を支払う義務が発生します。
このような権利と義務の関係を「債権債務関係」と呼び、この関係をきちんと結ぶためには、物権、総則に関する知識が必要になってきます。


民法を学習する上では、総則、物権、債権という大きなブロックで、各対象を大きく把握することが大事です。

民法以外の法律

「権利と権利変動」関連の中の、民法以外の法律は、借地借家法、不動産登記法、建物の区分所有などに関する法律で、民法に対しての特別法となります。


したがって学習する上では、民法との関連性を考慮することが大事です。


借地借家法は、民法では規定しきれない借地や借家についてのことだけを専門に規定されていて、建物の所有を目的とする地上権・土地賃貸借(借地契約)と、建物の賃貸借(借家契約)について定められている特別法です。


特別法は一般法に優先するというルールから、借地、借家については借地借家法の規定を優先して適用することになります。


不動産登記法は、登記手続きに関して規定されていて、いつ、どのように、誰が行ったか、また、手続きの際の費用、登記簿の閲覧など、不動産登記についてのあらゆることが定められています。
不動産登記とは、その不動産(土地や建物)の所在地、大きさ、所有権が誰にあるのか、誰にあったのかを明示するためにすべての所有者に義務付けられていることです。


登記には、「表示の登記」と、「権利の登記」の2つがあり、「表示の登記」とは、不動産の所在地や大きさなどを特定するためのもので、「権利の登記」とは、所有関係を特定するためのものです。


建物の区分所有等に関する法律には、分譲マンションなどの所有関係、共同管理の方法、その他の権利関係が規定されています。


分譲マンション等は、1棟の大きな建物の内部がいくつかに区画され、各部分が独立して住居などの機能を果たしている為、各区画ごとに所有権(区分所有権)が成立していることになります。
この場合、区分所有者は区分された建物の各部分を所有しているので、数人で1棟の建物を共有しているのとは異なります。


こうしたマンションなどは、多くの区分所有者がいるため、誰の所有と決められない共用の部分があり、明確な建物及び、敷地の区別ができません。
このような場合は、特殊な権利義務関係が生まれ、こうした権利義務を規定しているのが、建物の区分所有に関する法律になります。

法令上の制限、都市計画法

宅建試験の主要3分野のうちの、法令上の制限は、法律自体へのなじみのなさから苦手な人も多いようです。


前半の学習では、各法律の目的、法の体系を理解しましょう。


法令上の制限は


都市計画法
国土利用計画法
農地法
建築基準法
土地区画整理法
宅地造成等規正法


が中心になっていて、まず、都市計画法と建築基準法の2つの法律に大きく分けて考えられます。


学習は、都市計画法からはじめましょう。
学習する際、下記の「都市計画法は、国土利用計画法の規定の影響を受ける」ということを常に頭に置いた上で、都市計画法の体系を理解しましょう。


都市計画法は、国土の均衡ある発展を目指し、総合的で計画的な利用を図ることを目的としている国土利用計画法の影響を大きく受けています。
国土計画利用法では、国土利用計画と土地利用基本計画が定められており、土地利用の規制が行われています。


これを受けて、都市計画の内容、都市計画の決定・変更、都市計画制限、都市計画事業など都市計画に必要な事項を定めているのが、都市計画法であり、都市計画に関する基本的な法律なのです。


国土利用計画法は、日本全土のことを定め、都市計画法は、国土全体の中の都市計画区域に関する計画だけを定めています。


そして、都市計画法が規定する都市計画区域の中の農地の問題が規定されているのが、農地法です。


土地区画整理法は、土地の区画整理事業(都市計画法が定める都市計画区域の中でのみ行われる)を行う場合のことが定められています。


宅地造成規正法は、市街地または、市街地となろうとする土地の区域内で、宅地造成を行うことによって生ずる恐れのある災害(がけ崩れ、土砂の流出など)の防止のための規制を行います。


この法律も都市計画法の都市計画区域内のことになります。

法令上の制限、建築基準法

都市計画法、建築基準法の2つの法律は、本試験での出題数の占める割合という点からいっても、法令上の制限の中では、中心といえるでしょう。


したがって学習前半では、都市計画法と建築基準法を理解するようにしましょう。


建築基準法は、後から述べる単体規定と集団規定を中心に学習しましょう。


建築基準法には建物の建て方の基準が規定されていて、これは、安全な建物を建てるための最低限の基準なのです。
都市計画法で、建物を建てることができる区域を「市街化区域」と呼んでいますが、建築基準法は、市街化区域の中だけの規定になります。


建築基準法は、単体規定と集団規定によって規定されています。
単体規定とは、安全基準を建築物そのものの安全性を確保するためのもので、集団規定とは、都市的区域における人口や産業の集中によって生活環境や都市的機能が低下するのを防止するためのものです。


建築基準法は、その性格上、数値による規定が多くあります。
そのため、苦手意識を持つ人が多くみられる分野です。


しかし、それらの数値は試験直前に集中して覚えることで対応することができます。
ですから、最初から細部にこだわって学習しなくても大丈夫でしょう。


理解しにくいと感じる個所などは、具体的に自分の家を建てたらどうなるかをイメージしてみると、意外と理解できるものだと思います。


一旦理解してしまうと、問題自体は解答しやすいので、得点につなげられると思います。


法令上の制限で、高得点を目指すためにも、前半期での学習で建築基準法と都市計画法の体系を理解しておくことが大事です。

学習中盤

実践力と知識の定着

学習前半では、基本知識を理解することを目標としました。
学習中盤では、本試験に対応できるように実践力をつけることと知識の定着を目指しましょう。


問題集を使って実践力をつけましょう。
問題を解くことで実践力がつき、問題を解きながら、もう一度テキストに戻り基本知識を確認することで、基本知識をしっかりと定着させることができるでしょう。


使用する問題集は、最低でも直近5年分の過去に実際に出題された問題が収録されているものを使いましょう。


権利と権利変動、法令上の制限というように各分野(科目)別、さらに項目別に分類されているものがよいでしょう。


問題集を用意したら、もう一度、項目(権利能力、時効など)ごとにテキストを初めから読み、内容を理解した上で問題を解いてみましょう。
テキストを読んだだけで解ける問題、読んだだけでは解けない問題、テキストの読み方が不十分だった個所などが明確になってきます。


こうしてテキストの内容理解を深くします。


全ての範囲について学習することが先決ですので、分らない個所はチェックしておいて、どんどん先に進みましょう。


過去問題を多く練習することも良いですが、多くの問題よりも試験範囲全体を、一通り学習することのほうが大事です。

問題集を分野別にする

多くの人は、出題年度別に問題演習を行っていると思われますが、ただ単に年度別に過去の本試験問題を解くよりも、分野別(科目別)に取り組むほうがより効率的な学習といえるでしょう。


通常、問題集には過去の本試験問題は、過去に出題されたとおりの順番で収録されています。
したがって本試験においては、決してテキストで学習している順番では出題されていません。


自分で理解しやすいように体系的に再構成して学習することをお薦めします。


まず、年度別に構成されている問題を、権利、制限というように分野別(科目別)に編成し直しましょう。
編成とはいっても、問題に取り組むときに自分が分野別(科目別)に取り組めばよいだけのことです。


分野別に学習することで、それぞれの分野の重要な部分が、みえてくるでしょう。